「補助金が入るから、資金繰りは大丈夫ですよね?」

補助金の相談で、
経営者の方からよく出てくる言葉です。

しかし、実務の現場では
この考え方が原因で資金繰りが苦しくなるケースを
何度も見てきました。

補助金は、
資金繰りを楽にするお金ではありません。

■補助金は“後から入るお金”

前回も触れましたが、
ほとんどの補助金は 後払い です。

  • 設備を導入する
  • 支払いを完了する
  • 実績報告をする
  • その後、補助金が入金される

入金までに、
数か月かかることも珍しくありません。

この間、

会社はずっと自腹で耐える

必要があります。

■資金繰りで重要なのは「入る金額」ではない

資金繰りというと、

  • いくら入るか
  • いくらもらえるか

に意識が向きがちです。

しかし、資金繰りで一番重要なのは、

いつ出て、いつ入るか

です。

補助金は、

  • 出ていくタイミングは早く
  • 入ってくるタイミングは遅い

という、
資金繰り上は厳しい性質を持っています。

■補助金が原因で資金繰りが悪化する流れ

補助金が原因で苦しくなる会社には、
典型的な流れがあります。

  1. 補助金が出るからと投資を決める
  2. 自己資金や借入で先に支払う
  3. 想定より売上が伸びない
  4. 補助金入金前に資金が細る

この時点で、

補助金が来るのを待つしかない状態

に追い込まれます。

■「補助金が入るまで持てばいい」は危険

よく聞く言葉に、

「補助金が入るまで持てばいい」

があります。

しかしこれは、

  • 運転資金
  • 返済
  • 生活費

を考慮していない、
非常に危険な発想です。

資金繰りは、
「一時的に耐えられるか」ではなく、

継続できるか

が重要です。

■補助金を使う前に必ず見るべきポイント

補助金を検討する際、
最低限チェックすべきポイントがあります。

  • 補助金が入るまでの資金残高
  • 入金が遅れた場合の耐久力
  • その間の返済・固定費

これを見ずに進めるのは、
地図なしで山に入るようなものです。

■補助金と借入はセットで考える

実務上、補助金は

借入とセットで設計する

ケースがほとんどです。

  • 補助金対応のつなぎ融資
  • 設備資金としての借入

これを含めて設計しないと、

  • 補助金は入った
  • でも資金繰りは楽にならない

という結果になります。

■資金繰りが安定している会社ほど、補助金を冷静に見ている

皮肉な話ですが、

資金繰りが安定している会社ほど、
補助金に飛びつかない

傾向があります。

なぜなら、

  • 補助金がなくても投資できる
  • 補助金はあくまで補助

と位置づけているからです。

■補助金は「キャッシュの流れ」を壊しやすい

補助金は、

  • 金額だけを見ると魅力的
  • キャッシュフローを見るとリスクがある

という、
二面性を持ったお金です。

だからこそ、

補助金は、
資金繰りの視点なしでは使ってはいけない

と言えます。